インターバル走、レペティション、ペース走などのスピードトレーニングにも様々な項目があります。
今回はその中の一つ、ビルドアップ走について触れていきます。
ビルドアップ走は、マラソンを走る上で欠かすことのできないトレーニングであり、とても効果の高いトレーニングです。
そこで、そのビルドアップ走の効果とやり方、成果を出すためのコツについて書いていきたいと思います。
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ビルドアップ走の効果とは?
ビルドアップ走はスピード練習の中でも、効果が上がりやすく、多くのランナーに実践されているトレーニングです。
まず、ビルドアップ走の効果についてですが、
- 心肺能力の向上
- 脚力の強化
これに伴い、
- レース終盤の加速
- レースペースの維持、ペースダウンの修正
を行うための土台が身につきます。
ただし、これらはその他のスピードトレーニングについても同じことが言えます。
関連記事1:インターバル走のやり方は?距離と本数について!
関連記事2:レペティションとインターバルの違い!効果と距離は?
関連記事3:坂道トレーニングの正しい方法とその効果!
関連記事4:ペース走の効果とは?ペース設定と心拍数について!
では、なぜビルドアップ走が多くのランナーに実践されているトレーニングかというと、インターバル走のようなスピード練習にはないメリットがあるからです。
メリット1.初めの区間をウォーミングアップとして使うことができる
詳しくは「やり方」の項目で説明しますが、ビルドアップ走は初めはウォーミングアップ程度の速度で走り、最終的に全力走になります。
そのため、ウォーミングアップも兼ねることができます。
メリット2.比較的簡単に自分を追い込むことができる
初めはゆっくりジョグ程度のペースで走り、体が慣れてくるに従いスピードを上げるので、最後の全力走に文字通り全力で取り組めます。
また、全力走までの段階的なペース上げによって、徐々に精神面でも余裕が出てきます。
メリット3.追い込みは最後の1~2kmのみのため、疲労が残りにくい
例えば、
インターバル走を1km(全力)+200m(ジョグ)×5本
ビルドアップ走を1km(ジョグ)後1kmごとにペースを上げ、最後に全力
を比べると、ビルドアップ走は全力の区間が、最後の1区間しかありません。
そのため、疲労の残り方もビルドアップ走の方が軽めです。
メリット4.短時間の練習でも効果が出やすい
上で書いたように、ビルドアップ走は最後の1区間を全力で走ります。
そのため、設定する距離もその日のコンディションや時間の都合で決められます。
いつも10km走っているところ、今日は5kmしか走れないという日は、5kmのビルドアップ走を行えばいいのです。
要は、最初のジョグ(有酸素)から段々と全力(無酸素)に近づけていきさえすれば、ビルドアップ走の効果は大小はあれども発揮されます。
ビルドアップ走のやり方について!
さて、ここまで効果、メリットについて長々と書いてしまいました。
先にやり方についても触れてしまった個所があったので、分かりにくい点があったかと思います。
そこで、ここではビルドアップ走の方法についてまとめていきたいと思います。
1.距離設定
トータルの距離は何km走っても構いません。
ビルドアップ走、またはランニング自体初心者の場合、トータル5kmという設定でも十分だと思います。
また、普段から10km走っている方は、ビルドアップ走10kmを設定してもいいでしょう。
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2.ペース設定
さて、トータルの距離を設定したら次は、ペースを上げていく区間距離の設定ですが、
基本的には、1kmを目安にペースを上げていきましょう。
トータル5km(全力ペース4分30秒/km)の場合、
1km ジョグ・ウォームアップ
↓
2km 5分/km
↓
3km 4分50秒/km
↓
4km 4分40秒/km
↓
5km 4分30秒/km
のように上げていきます。
トータル10kmの場合は、これを2kmごとに10秒ずつまたは、1kmごとに5秒ずつ上げるなどの工夫をします。
ただ、自分の全力ペースというのは、その日の体調や気温等に左右されやすいので、当初決めた目標通りにはいかないことがしばしばあります。
そのため、厳密に全力ペースを決めたり、区間ごとに上げるペースを決めるのではなく、自分がその日に走りやすいペースで走りましょう。
それと、決まったペースで徐々に上げていくのは結構難しいものです。
大事なのは、最後の区間を全力で走ることです。
途中の過程で、ペースを徐々に上げることが難しくても、最終的に全力走ができるようなペース配分を心掛けましょう。
ビルドアップ走で成果を出すためのコツとは?
厳密なペース配分はなかなか難しいものですし、最後の区間で逆にペースダウンしてしまうことも初めての場合はよくあります。
もしも、最後の区間でペースダウンしてしまう場合は、オーバーペースですので、出だしのスタートからもっとスピードを落とさなくてはいけません。
逆に、最後の区間だけ桁違いにスピードアップをするようでは、ビルドアップ走として負荷がかかっていないと言えます。
ビルドアップ走で成果を出すコツとしては、何回かビルドアップ走を走ってみて、自分の全力走までに至るペースをつかむことです。
ただ、その日の体調や気温等のコンディションの影響で、全力走で走れるペースも変わってきてしまいます。
そこで、コツというか、ビルドアップ走に最も効果的な方法として、自身の心拍数を図るという方法があります。
それならば、その日のコンディションも心拍数の違いから瞭然ですし、ビルドアップ走の最中の心拍数を記録しておくことで、全力走に至るまでの心拍管理ができます。
このようにデータとして把握しておくことで、途中の心拍がこれくらいだから今日はこのくらいのペースで走ろうと、具体的なイメージがつかめます。
近年、心拍数計付きのGPSウォッチ、ウェアラブルデバイスも充実してきたので、これを機に試してみてはいかがでしょうか。
関連記事4:fitbit surgeをblazeと比較レビュー!ランニングに使える?
ビルドアップ走の効果とやり方、コツのまとめ
ビルドアップ走はスピードトレーニングの中でも、疲労が残りにくく、自分を追い込むのに適した練習であると言えます。
ただ、そうはいってもやりすぎは良くないので、基本的にスピードトレーニングは週に1回かそれ以下のペースで行うのがベストです。
ビルドアップの方法としては、トータルで走る距離を決めたら、最後の全力走から逆算して1kmごとにペースを上げていくといいでしょう。
最後の全力走に自然な形で入っていけるようなペースの上げ方が望ましいです。
しかし、そこまで厳密にやらなくても、自然な形で負荷を加えつつペースを上げられれば、良しとしましょう。
ビルドアップ走のコツとしては、自分の心拍数を計測するというやり方があります。
全力走はどのくらいの心拍数なのか、途中の心拍数の上がり方はどうなっているのか、きちんと管理することで、その日のコンディションに合ったビルドアップ走ができるようになります。
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