マラソンを走る方なら取り入れておきたいトレーニングの一つにペース走があります。
このペース走、ペース設定の方法が少し難しいため、しっかりと効果のある練習が出来ていない場合もしばしばあります。
そこで、今回はペース走の効果とやり方、ペース設定と心拍数の関係について書いていきたいと思います。
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ペース走の効果とは?
まず、ペース走とはスピードトレーニングの一種です。
スピードトレーニングには、他にインターバル走、レペティション、ビルドアップ走があります。
関連記事1:インターバル走のやり方は?距離と本数について!
関連記事2:レペティションとインターバルの違い!効果と距離は?
関連記事3:ビルドアップ走の効果とやり方!成果を出すためのコツとは?
これらのトレーニングの効果として、心肺能力の向上、脚力の強化があり、どのスピードトレーニングでもこれらの効果が得られます。
また、ペース走独自の効果としては、
- ペース感覚の養成
が挙げられます。
細かく分けますと、
1.ペースコントロール能力の向上
まず、ハーフマラソンやフルマラソンなどのレースで自分がどの程度のペースで走れるのか、ペースの把握ができるようになります。
そして、そのペースを把握することで、自分が心地よいと感じる速度、きついと感じる速度の把握ができ、ペースのコントロールが容易になります。
- 「今のペースだと、完走する前に体が動かなくなってしまいそうだ」
- 「今のペースだと、十分余力を残して完走できるので、あと少しペースを上げてもいいかな」
などのペースコントロールが時計を見なくても、感覚で出来るようになってきます。
2.通常ペースの強化
目標とするレースペースで走ることで、自分の限界を引き上げ、通常時のペースが底上げされます。
これは、スピードトレーニング全般による効果とも言えなくもないですが、ペースの把握があってこそのペース強化だと考えています。
ペース走のペース設定の方法は?
さて、上記でペース走の効果について取り上げました。
このようにペース走は、フルマラソン、ハーフマラソン、10km走などの長距離走を走る上で、とても有効なトレーニングとなります。
それでは、ペース走のスピード・ペース設定、距離設定についてみていきたいと思います。
まず、ペース走は出場するレースで目標とするペースにて一定のペースで走り切るトレーニングです。
1.ペース走の設定距離
出場するレースの半分の距離は少なくとも走っておきたいところです。
2.速度・ペース設定
目標とするレースペースで走るようにします。
※このとき、実際にペース走をやってみて目標とするペースが実力以上の速さだった場合、
ペース走を小分けにして走る(10km走る場合は、2km×5)
これはどちらかというとインターバル走やレペティションの趣が強いトレーニングになります。
関連記事4:インターバル走のやり方は?距離と本数について!
関連記事5:レペティションとインターバルの違い!効果と距離は?
最後の1~2kmだけペース走
こちらは、ビルドアップ走のようなトレーニング方法となります。
関連記事6:ビルドアップ走の効果とやり方!成果を出すためのコツとは?
このように工夫して、目標ペースまで自分の走力を近づけるという方法もあります。
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・10km走の場合
ペース走で走るべき距離設定は、
少なくとも5km(レース距離の半分は走るようにしましょう)
ペース設定は、
目標タイム50分で走る場合、目標ペースはキロ5分となります。
そして、実際に5km走ってみて、余裕があるかどうかでペース設定の調整を図っていきます。
・ハーフマラソンの場合
距離設定は、
少なくとも10km
ペース設定は、
目標タイム1時間34分で走る場合、目標ペースはキロ4分30秒となります。
このペースがきつかったら、小分けにインターバル走や、最後の数キロだけペース走を(ビルドアップ走のように)するなど工夫します。
・フルマラソンの場合
距離設定は、
少なくとも20km
ペース設定は、
目標タイム3時間59分のサブ4目指して走る場合、目標ペースはキロ5分40秒となります。
また、サブ4を目標とする場合は、目標タイム2時間55分、目標ペースキロ4分10秒となります。
上記同様、ペース走を走り終えて、目標がきつい場合や余裕な場合は、色々と調整してみましょう。
ペース走と心拍数の関係について!
ペース走をするうえで必要となるのが、上記のトレーニングを繰り返し、自分に合った目標タイム、目標ペースを模索することです。
ただ、スピードトレーニングの頻度の目安としては、週1回以下のトレーニングが望ましいです。
この頻度で、適正なペースを模索するとなると、時間もかかるしモチベーションの持続も難しいかもしれません。
そこで、おすすめしたいのが、心拍数と運動強度によって目標心拍数を求め、最適なペースを把握する方法です。
このトレーニングを行う上で、脈拍計測機能付きのGPSウォッチや心拍数センサーは必須となります。
ランナーとして、今後レベルを上げていくなら、持っておいて損はないかと思います。
まず、最大心拍数と安静時心拍数を求めます。
1.最大心拍数
これは、計り方はいろいろあるのですが、
- あまり運動していない方は、220-(年齢)
- 運動を良くしている方は、210-(年齢×0.5)
など他にもいろいろな計り方があります。
正確に測りたい方は、脈拍計測機能付きのGPSウォッチや心拍センサーを着用して、全力で走ってみるなどして最高心拍数を計測する方法があります。
ただし、あまりにも心臓に負荷がかかりすぎるため、注意が必要です。
安全をとり、トレーニングジムなどで計測してもらうなどの対策を練りましょう。
2.安静時心拍数
朝起床時に計測する心拍数が安静時心拍数になります。
次に、運動強度ですが、
3.運動強度
60~75%→ジョグ、LSDトレーニング
(脂肪燃焼、酸素摂取量の増加)
75~85%→フルマラソン、ペース走
(有酸素運動)
85~90%→ハーフ、10km、インターバル、ビルドアップ、ペース走
(無酸素運動~有酸素運動、LTの改善)
91%~→インターバル走
(耐乳酸能力、乳酸性作業閾値LTの改善、このレベルのトレーニングは不要かも)
ペース走として取り入れたい運動強度は、75~90%の範囲です。
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4.目標ペース(目標心拍数)
目標心拍数=(最大心拍数−安静心拍数)×運動強度+安静心拍数
となり、
例.最大心拍数が180、安静時心拍数が60、運動強度80%の場合、
(180-60)×0.8+60 =156
目標心拍数156となります。
ペース走を行う上で、運動強度の目安を以下で説明します。
基本的なペースとしては、
- 運動強度80~85%
を狙っていきます。
これは、ハーフマラソンを走るときと同じくらいのペースで、フルマラソンよりは少し早めのペースとなります。
このペースは、AT(無酸素性作業閾値)と呼ばれ、有酸素運動として最もパフォーマンスの高いペースであると言えます。
この80~85%をベースとして、
- 長めの距離を走る場合、75~80%
- 実力以上の目標設定の場合、85~90%
などのように調整していきます。
この強度で一定のペースを心掛けましょう。
脈拍計測機能付きのGPSウォッチ等によっては、こうした計算表がついていたり、視覚的に分かりやすくグラフにできたりします。
もしも、まだお持ちでない方は、これを機に購入を検討してみてはいかがでしょうか。
関連記事7:fitbit surgeをblazeと比較レビュー!ランニングに使える?
ペース走の効果、ペース設定、心拍数のまとめ
ペース走は、心肺能力の向上、脚力の強化、ペースコントロール、ペースの底上げなど、
ランナーに必須の能力を身に着けるうえで最適なトレーニングの一つです。
やり方は、出場レースの目標ペースを決めて、そのペースを一定に保ちつつ走り切るというものです。
ペースの設定方法は、上の説明を参考にしてください。
心拍数との関係によってペースを把握するという方法もありますので、ぜひご参考にしてみてください。
それでは。
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